日本軍思想・検閲関係資料

監修■吉田 裕  編集・解説■松野誠也

B5判上製/314頁/本体価格18,000円/ISBN978-4-87785-108-8

大本営陸軍部による日本軍将兵の思想分析。
日米開戦前の時期の将兵の生の声を伝える。
追ひ立てられ仕方なく出征/戦争は人道に反す/外交の失敗検閲覚悟で軍隊批判など、未公刊資料の紹介記事です。

1.支那事変勃発前後ニ於ケル「コミンテルン」ノ我ガ国ニ対スル思想策動ノ状況及其ノ反響
◆ソ連、中国、アメリカなど諸外国の思想工作と、その国内の反響に関する事例

2.支那事変ニ於ケル支那側思想工作ノ状況
◆中国側の日本軍将兵に対する反戦・非戦の思想工作・宣伝活動について、国民党系と共産党系に区別して具体的に詳しく説明し、その反響を分析

3.支那事変ヨリ観察セル我ガ軍人軍属ノ思想状況
◆1937年7月から39年6月間の軍隊内の反戦反軍・戦争倦怠・「不敬」行為・犯罪非行・各種反疑惑不信不満などについて分析

4.支那事変ニ於ケル軍人軍属ノ思想ニ影響ヲ及セル諸因ノ影響
◆中国側の「思想謀略」や国内情勢、中国での一般日本人の言動、戦場の特異性、人事・給与などが将兵の思想にどのような影響を与えたかを分析

5.関東軍ニ対スル「ソ」連邦ノ思想謀略及其ノ影響
◆ソ連側の関東軍に対する「思想謀略」を分析。特にノモンハン事件が日本兵に与えた影響についての分析が興味深い

6.北支憲高第三〇九号 郵便検閲月報(8月)
◆北支那方面憲兵隊が、普通郵便、軍事郵便を検閲し、軍人軍属・日本人・中国人の動静を分析

7.華北通信検閲ニ顕ハレタ日本人ノ思想動向観察
◆「郵便検閲月報」をもとに、華北の日本人の「思想動向」を分析