占領下の議会と官僚

天川　晃　著

A5上製判/326頁／本体価格3,400円/ISBN978-4-87785-295-5　発売2014年6月末

第一章　敗戦後の帝国議会
　　一　占領統治の概観
　　二　戦争責任問題と諸政党の結成
　　　（1）第八八回帝国議会
　　　（2）戦犯容疑者の逮捕と「人権指令」
　　　（3）新政党の結成
　　　（4）幣原内閣と憲法改正問題
　　三　第八九回帝国議会と衆議院選挙法改正
　　　（1）戦争責任決議と戦犯容疑者の拡大
　　　（2）衆議院議員選挙法の改正
　　四　公職追放
　　　（1）公職追放令
　　　（2）憲法問題の急展開
　　　（3）貴族院問題
　　五　吉田内閣の成立
　　　（1) 第二二回総選挙と吉田内閣の成立 (2)第九〇回臨時議会
　　六　憲法審議　
　　　（2) 「国権の最高機関」 （2)議会での審議
　　七　第九一回帝国議会
　　　（1）吉田内閣と政党の動き　(2)参議院議員選挙法 (3)国会法案
　　八　最後の帝国議会
　　　（1）連立工作と内閣改造
　　　（2）衆議院議員選挙法改正
　　　（3）貴族院の終焉
第二章　占領下の国会
　　一「四月選挙」と新しい国会
　　　（1）参議院議員選挙と総選挙
　　　（2）議長選挙と片山連立内閣の発足
　　　（3）「国会」のスタート
　　二　連立内閣と経済再建
　　　（1）政党をめぐる問題 (2)保守派の離反―石炭国管問題の紛糾
　　　（3）与党の亀裂―平野農相罷免と内閣改造
　　三　連立内閣の崩壊
　　　　?　片山内閣の崩壊
　　　　?　芦田内閣の誕生
　　　　?　波乱の第二回回国会
　　　　?　芦田内閣の退陣
　　四　吉田内閣の再登場
　　　　?　山崎事件と第二次吉田内閣
　　　　?　「なれあい解散」
　　　　?　第三次吉田内閣の成立
　　五　吉田ワンマン体制と国会
　　　　?　政党の再編成
　　　　?　吉田内閣の国会運営
　　　　?　国会の制度と運営
　　六　講和と国会
　　　（1）講和論争
　　　（2）講和・安保両条約の調印と批准
　　　（3）講和後の態勢つくり
第三章「民主化」過程と官僚の対応
　　　はじめに
　　一　敗戦と占領
　　二　「自主的」改革
　　三　「日本的民主主義」
　　四　憲法体制の「日本化」
　　五　官僚と政党―政党法とその挫折
　　　おわりに
第四章　占領政策と官僚の対応
　　　はじめに
　　一　「間接統治」と「国体護持」の可能性
　　二　「自主的」対応とその限界
　　三　占領政策への「抵抗」
　　　おわりに
第五章　内閣法制局の対応―新憲法体制の整備
　　　はじめに
　　一　構想の枠組とその背景
　　二　臨時法制調査会と法案要綱
　　三　内閣法の制定
　　四　行政官庁法の制定
　　　おわりに
第六章　内務省と民政局
　　一　 民政局の態度
　　　（1）総司令部と民政局
　　　（2）民政局の活動の三段階
　　　（3）民政局の担当官
　　　（4）「分権化」政策
　　二　内務省の態度
　　　（1）戦後復興と強力な指導力
　　　（2）改革の先取り
　　　（3）専門家の自信
　　　（4）既存の制度モデル
　　　（5）相手の軽視
　　　（6）セクショナリズム
　　三　異なる「地方自治」観念
第七章　民政局と官僚制改革－主要資料の解説―
　　一　初期の行政機構調査と逓信省昇格問題
　　二　ジョン・マキの行政機構調査
　　三　内閣法と国家行政組織法
　　四 内務省の解体
　　　（1）警察改革案の応酬
　　　（2）内務省分権化の覚書から内務省の解体へ
　　　（3）司法省の警察改革案
　　　（4）片山書簡からマッカーサー書簡へ
　　　（5）内務省の解体の具体化
　　五　その他の行政機構改革
　　　（1）行政管理庁の設置
　　　（2）外務省・終連の改組
　　　（3）1949年の行政機構再編成
第八章　占領と官僚制
　　一　占領の枠組み
　　　（1）間接統治
　　　（2）占領への協力
　　　（3）占領政策の展開
　　二　官僚の行動
　　　（1）「改革先導者」としての官僚
　　　（2）改革の「日本化」の担い手としての官僚
　　　（3）権限の維持・拡大者としての官僚
　　三　官僚制の改革
　　　（1）軍国主義の支柱としての官僚
　　　（2）改革の対象としての官僚制
　　　（3）憲法改正と立法部の強化
　　　（4）公務員制度の改革
　　　（5）分権化
　　　（6）改革計画の終了
　　四　改革の評価と官僚の役割
　　　（1）改革の挫折
　　　（2）民主主義の「日本化」
　　　（3）「間接統治」と官僚